軟式野球部沿革

1.日大一中・一高の創立と野球発祥

1913(大正2)年2月14日、日大一中・一高の発祥の地である神田三崎町 日本大学法学部本館所在地に日本大学最初の付属校として旧制中学(旧制日本大学中学校)時代に設立され、現在は二高、三高と共に特別付属校として、100有余年の歴史と伝統を誇ります。

1872(明治5)年に第一大学区第一番中学(東大の前進)に初めて野球が伝えられたと言われています。

2.軟式野球が日本で発祥

1918~19(大正7~8)年に軟式野球が日本で発祥しています(東京六大学軟式野球連盟、全日本軟式野球連盟より)。日大一高硬式野球部は学校創立8年後の1921(大正10)年に創部と校友会誌に記載があります。2年後の1923(大正12)年に日大硬式野球部が創部されています。

3.全国高校軟式野球大会開催

1956(昭和31)年「全国高校軟式優勝大会」第1回大会が大阪藤井寺球場で開催されます。

4.新聞掲載開始

1981(昭和56)年第26回大会から全国大会の名称を改め、「全国高等学校軟式野球選手権大会」とし、会場を兵庫県の明石公園野球場と高砂球場に移転。翌年から朝日、毎日新聞で東京予選大会の試合結果が掲載される様になりました。

5.日大一高軟式野球部創設

1975(昭和50)年にその歴史と諸先輩方が築いてきた伝統の下、日本大学第一高等学校軟式野球部は、初代部長である大木親和先生のご指導と熱心な先輩有志によって同好会として設立。同好会から部に昇格するには諸条件があり、先輩方の実績の積み重ねで、その後7年を経て1982(昭和57)年に創部されました。

6.創成期の困難

同好会としての設立当時、1981(昭和56)年度校友会誌にそのときの状況に関する記載がありますのでご紹介します。


「我々軟式野球同好会は常に都大会優勝を目指し、全国大会出場を目指し、全国大会出場を目標に練習を行っています。しかし、我々には専用グラウンドがなく、 おまけに部費が無いのです。
部費が無いという事は、常に我々自身でお金を出し合って、グラウンドを確保しなくてはならないのです。でも、我々は、こんな困難を乗り越え、大会では、我々自身、満足いくような試合ができました(中略)。
最後に、チームワークの良さで明石で行われる全国大会を目指し練習を続けていきたいと思います。」(出展:昭和56年度校友会誌第69号 原文)・・・・。

当時の先輩方の困難な状況が伺えます。

7.台頭期の優勝

前途多難なスタートでしたが、部長の佐々木幸広先生のご指導と代々の先輩方の不断の努力の積み重ねにより、 1979(昭和54)年、第六支部大会初出場初優勝を果たし翌年も優勝を飾っています。

8.練習内容

練習内容は確立されたものではなく、硬式野球部の練習内容を取り入れ試行錯誤の連続で、ほとんど自己流で行っていました。また、一時期部員数が減少し勧誘に奔走する等本当に多難な時代もありました。

9.当時の高校野球界での日大一高

反面、当時の日大一高は高校野球界では知名度があり、そのため軟式野球部も他校から注目され、男子校時代、詰襟学生服姿で試合球場に臨みユニホームに袖を通すとその袖の「日大一高」の文字を見るやいなや他校の女子生徒から握手を求められる一面もありました。

10.猛練習と春季ブロック大会初優勝、本大会初のベスト8

1985(昭和60)年正月返上での猛練習に冬場の学校での徹底した基礎体力強化(隅田川土手で総武線と蔵前橋通りの間を10往復、ダッシュ等のセットメニューを毎日実施)と各フォーメーションサインプレーの反復やセカンド頭上を狙う打撃練習等の成果が実を結び、練習試合では連勝を重ねて臨んだ春季大会ブロック予選決勝で修徳に5-4と勝利を収め、創設10年目にして本大会初出場、初のベスト8(0-1八王子東)に進出しました。同年夏の東京都大会でもベスト8(1-9早実)へ勝ち進むまでに成長します。

11.成長期

1993(平成5)年から部長の鳩山高史先生により日大一高の伝統を承継しながらさらに前進させるべく指導は引き継がれていくことになります。

12.女子マネージャー

1997(平成9)年学校の共学化に伴いマネージャーはそれまで男子が選手と兼任をしていましたが、1999(平成11年)年に初の女子マネージャーが採用され男子マネージャーも専任となっていきます。

13.定着期、夏季大会初のベスト4

1999(平成11)年、硬式野球部OB川久保氏の指導を受けつつ、夏季大会準決勝進出で初のベスト4(4-9日大三)と着実に伝統を刻んでいくことになります。この頃から鳩山先生と漆原郁夫先生により指導がより一層強化され躍進の地盤が築かれることになります。

14.指導体制の確立

2005(平成17)年頃から鳩山先生の熱心な指導が実を結び、平成18年春季大会ベスト8(0-1創価)と着実に実績を重ねます。

15.高校軟式野球夏季東京大会初優勝そして全国大会出場と国体出場

2006(平成18)年創設31年目にして、諸先輩方の目標であった兵庫県明石で開催される全国高等学校軟式野球選手権大会へ出場を果たしました。初戦のPL学園との熱戦(1-0)を勝ち抜きは初出場ベスト8(2-4中京)、国体出場を果たすまでに至っております。

2007(平成19)年、顧問は松里悠先生となります。

その後、夏季大会では2007(平成19)年に準優勝、2009・11・14・16(平成21・23・26・28)年にベスト4、2013(平成25)年にベスト8、秋季大会では2012(平成24)年に第3位で関東大会出場、2014(平成26)年に優勝し関東大会出場ベスト8、春季大会では2013(平成25)に第3位を果たすなど、夏季都大会ではほぼ1年おきに準決勝まで勝ち進む実績を残して現在に至ります。

17.文武両道の日大一高軟式野球部

また試合成績だけではなく文武両道を念頭に他大学を含めた進学勉強に励むことはもとより、校訓「真・健・和」のもと、校歌にある「強気はたゆまぬわがちから」を育むため部員選手、マネージャーたちは一所懸命・一戦必勝をモットーに日々の活動に励んでいます。

18.高校軟式野球界

2014(平成26)年にユニホームとストッキングを新調します。

今後も100年超の歴史と伝統を誇る日大一高並びに高校軟式野球界史の主役となるべく現役選手の挑戦は続いていくことでしょう。